市民が創る環境のまち”元気大賞”

Report on the Eco-consious Community Genki Grand Awards

「eco japan cup 〜ライフスタイル部門〜」 連携

「持続可能な社会へGO! 市民が創る環境のまち “元気大賞”」受賞年度別

2009

「市民が創る環境のまち”元気大賞”2009」

元気大賞 受賞

「循環型地域社会をつくるために古着に新たな価値をつくる事業」

NPO法人 WE21 ジャパン(神奈川県)

市民から寄付された衣類や雑貨を35の地域NPOと連携して、53のリユース・リサイクルショップ(WEショップ)で販売し、収益の一部をアジアの女性たちの自立支援に助成している。

年間500トン以上の衣類が寄せられるが、売れなかったものは故繊維業者を介して、再びリユース・リサイクルルートにのる。

もったいない」精神と地域循環をめざし、リメイク品づくりや、若手芸術家による古着を使った芸術品の創作につながっている。

2012

「市民が創る環境のまち”元気大賞”2012」

元気大賞 受賞

「トキ舞う加茂湖の水辺再生プロジェクト」

佐渡島加茂湖水系再生研究所(新潟県佐渡市)

佐渡島加茂湖水系再生研究所(通称:カモケン)は、トキの生息域となっている佐渡島・加茂湖の入り江「こごめのいり」の再生に取り組んでいる。加茂湖の湖岸はほとんどが鋼板矢板とコンクリートで護岸されてしまい、水循環の悪化や豊かなヨシ原の消滅による生物多様性の低下が問題となっていた。

カモケンは、株式会社ブリヂストンと早稲田大学との産学連携環境プロジェクトであるW-BRIDGEの支援を受け、地域が主体となって再生計画の立案、維持管理、自然資源の利活用ができるように、子どもたちを含む地域の人々とともに検討し、また、具体的な湖の再生活動への参加・協働を進めた。ヨシ原の整備工事では、地域住民、専門家、地元建設業者や行政との連携のもとに、「市民工事」を行った。その結果、こごめのいりでは、徐々にヨシ原が広がり、多くの人が集う豊かな水辺環境が実現しつつある。

2012

「市民が創る環境のまち”元気大賞”2012」

奨励賞 受賞

「ベトナム中部の農村 誇りを持てる環境循環型の村づくりの実践」

特定非営利活動法人 ブリッジ エーシア ジャパン(東京都)

ブリッジ エーシア ジャパンは子どもたちを対象とした環境教育や、農家と組んでリサイクル農業による生計向上に取り組んでいる。たとえば子どもたちは買い物のあとで何がゴミになっているかを調べ、食べ物を葉っぱで包めば、ビニールは不要だと気がついた。また、ホーチミン市の子どもたちがフエの農家とインターネットで交流し、農家がオンラインで子どもたちの質問に答えるという環境ワークショップも行っている。

悪臭や水質汚染の原因となる家畜糞尿を処理するタンクを13世帯に建設し、発酵させることで家庭燃料に変える取り組みも行っている。養豚作業の軽減と同時に液肥を採ることができるようになり、さらに農家同士をつなぐネットワークもできた。このネットワークは、豚の餌の協同購入・子豚の売買にもつながっている。
こうしたフエ市の農家の取り組みを地図にした観光エコマップを町に設置し、観光客や市民に地域資源を再確認してもらうことにつなげている。

2012

「市民が創る環境のまち”元気大賞”2012」

特別賞 受賞

「旧牧郷小学校100%自給プロジェクト」

藤野電力(神奈川県)

20年以上前から放棄されていたソーラーパネル約170枚を譲り受ける機会を得、それを使って旧牧郷小学校(現在は牧郷ラボとして地元在住のアーティストたちの活動拠点になっている)の電力を100%自家発電により賄うプロジェクトを立ち上げた。システム設計から施工まで、すべて地域の仲間で協力しあい、情熱とDIY精神で取り組んでいる。施設を単に自給するだけではなく、地域の防災拠点や新たなコミュニティ拠点として機能することを目指している。

2012

「市民が創る環境のまち”元気大賞”2012」

セブンイレブン記念財団賞 受賞

「やんばる国頭の森の水路再生・棚田ビオトープ整備による地域活性化プロジェクト」

特定非営利活動法人 国頭ツーリズム協会(沖縄県)

世界的にも生物多様性豊かな国頭村「やんばるの森」にある2本の水路橋を持つ水路と海が眺望できる棚田は、宇嘉地区の自慢の資源であり誇りの土木技術だった。20年以上前に管理が放棄され、崖崩れなどで泥に埋まっていたが、村内で再生可能な状態を保っていたのは宇嘉地区のみだった。「国頭村地域森林ゾーニング計画」の基礎資料調査を東京工業大学の助言で行ったところ、文化的・土木技術遺産的価値が再認識され、2011年より悲願の水路再生を様々な参加者によって実現。翌年には水路の水を利用して棚田を復元した。

水路散策と田植えを体験するイベントは地方紙やテレビでとりあげられ、棚田再生に協力の声も。この取り組みは、2010年より(株)ブリヂストンと早稲田大学との産学連携環境プロジェクトであるW-BRIDGEの支援を受け活動を発展させ、地域、大学、企業をつなぐ活動の意義を鮮明にした。