Report on the Eco-consious Community Genki Grand Awards
「eco japan cup 〜ライフスタイル部門〜」 連携
「市民が創る環境のまち”元気大賞”2012」
守谷あんしんお散歩プロジェクト(茨城県)
茨城県守谷市で原発事故で増加した放射線量により自治体や住民同士の様々な対立や混乱を巻き起こしたことに対して、守谷あんしんお散歩プロジェクトは、事実を正しく見つめ、立場の違いを乗り越えて対話を進めた。測定専門家からアドバイスを受け、週末には線量計を持ち、呼びかけに応じた市民有志と市内の「お散歩(線量計測)」を実践。心配で声をかけてくる地域の方も多く、その場で時間をかけて現状を説明。
遂には「お散歩会」と称して市民だけでなく大学教授、市・県会議員、市職員が一緒に歩くまでに。測ったデータは大学の授業でも取り上げられ、データを元に総勢100名での幼稚園園庭の除染作業や市から物資サポートを受けた通学路の除染作業、研究者との除染実証試験、市民向け現状説明会と多岐にわたるようになった。そしてひとりの市民、ひとつの団体ではできないことを、様々な人や団体と理解し合いながら今は地域ぐるみで実現している。
「市民が創る環境のまち”元気大賞”2012」
特定非営利活動法人 グリーンシティ福岡(福岡県)
志賀島は、金印公園や、火焔塚、万葉歌碑などが点在する歴史的な魅力を持つ島。しかし、高齢化によって手入れがされず、これらを繋ぐルートは樹木が生い茂り、荒れていた。そこで、地元や島の外の方、造園のプロに呼びかけ観光ルートの手入れ「森林保全ボランティア」を行った。3年間で、のべ672名が参加した。また、蘇ったルートで「史跡ガイドツアー」、オフシーズンの浜辺では手入れで伐った材で「焚き火カフェ」など、志賀島の新しい活用方法に挑戦している。住民とボランティア、造園のプロ、行政、NPOが、それぞれの知恵や力を持ち寄って取り組んでいる。
「市民が創る環境のまち”元気大賞”2012」
NPO法人 湘南スタイル(神奈川県)
湘南みかんの市場価格の下落と消費不振となる原因を分析し、「どうだったら売れるか」ではなく、「どうだったら買うか」という仕組みに取り組んだ。みかんは畑の手入れを怠ると2~3年で荒廃化が進み、みかんの商品として出荷できるのに10年以上の歳月がかかる。実の小さく青いうちに間引く「摘果みかん」と不恰好な形の「出荷不適格みかん」を、そこで”こだわりの商品”に加工して、農業者に新たな収入に結び付た。
みかんを加工品〈=もの〉だけでなく、農家(=ひと)、収穫体験(=こと)もプログラム化して『湘南「みかんの木パートナーシップ」と名付けた。加工品は摘果や出荷不適格みかんが在庫リスクのない状態から生み出す。顧客ニーズから「地域産品をお中元やお歳暮に贈りたい」という声から「湘南みかんと加工品の詰め合わせセット」が生まれた。「コミュニティ経済社会」の実現に向けて、地域の活性化活動と自己実現を共生させる修練がここに活かされる仕組みになった。
「市民が創る環境のまち”元気大賞”2012」
青森県立名久井農業高等学校 TEAM FLORA PHOTONICS(青森県)
八戸の県立自然公園の種差海岸に絶滅危惧されるサクラソウが震災津波の被害で赤く枯れたので緊急保護のため県知事から採種の許可を得た。計画とおり人工授粉を行い、1ヶ月後には採種に成功した。高校生の取り組む復興への第一歩として全国紙で紹介された。
夏に発芽を成功させ、翌年5月に保護したサクラソウが開花し、被災地に明るい話題になる。種差海岸を含む三陸海岸が「三陸復興国立公園」として来年指定される見通しがつく。
この津波被害を受けると、土壌の通気性が悪くなり、ヘドロ状で植物の生育にならない。私たちは震災1ヶ月後の4月中旬からマイクロバブルという微細気泡を含んだ水で塩分を洗い流す除塩技術に取り組み5月中旬には水よりも高い除塩効果があることを科学的に立証した。国際放送で世界に紹介されたとともに、優れた技術として今年スウェーデンで開催された世界の若者の水研究大会にも日本代表として出場し、大いに世界の注目を浴びた。
「市民が創る環境のまち”元気大賞”2011」
次世代のためにがんばろ会(熊本県)
自然環境悪化の原因は大人であることを肝に銘じ、次世代の子ども達の自然・心の環境を改善・啓発・指導していく様々な活動を行っている住民有志の会。活動では、参加高校生・高専生・大学生にも企画運営や実行委員になってもらい世代間交流を図り、地域のリーダーとなれる人材の育成を行う。
一方で、官民学企業が連携する活動イベントでは、それぞれの環境保全の取り組みを紹介してもらうことで、子供たちの環境意識を高めている。